再婚して一緒に暮らし始めると、家の中の空気には少しずつ慣れてきても、再婚相手と子どもの距離だけは思うように変わらないことがありますよね。
挨拶は交わしていても会話はほとんどなく、同じ食卓を囲んでいても、どこか遠慮しているような空気が流れることがあります。
親としては、もっと自然に話せるようになってほしいと願うほど、どう関わればいいのか迷ってしまうもの。
一緒に生活する時間が増えれば、自然と会話も増えて家族らしい関係になっていくものだと思いがちですが、実際には朝のおはようは交わしてもそのあと会話は続かず、夕食も同じ食卓を囲んでいるのに、お互いどこか気を遣っているような時間が続くこともあります。
その様子を見ていると、私が間に入ったほうがいいのかな、このまま見守っていて大丈夫なのかなと、不安になることもありますよね。
だからといって、焦って仲良くさせようとすると、かえって子どもにも再婚相手にも負担をかけてしまうことがあります。
大切なのは、今の距離だけを見てうまくいっていないと考えるのではなく、それぞれの気持ちやペースを大切にしながら関わっていくことなんです。
今回は、再婚相手と子どもの距離が縮まらない理由や、親として意識したい接し方、避けたいNG行動について整理していきます。
距離が縮まらないのは珍しいことではない

一緒に暮らし始めたのに思ったように距離が縮まらないと、何か接し方を間違えているのではと不安になることがありますよね。
でも、再婚相手と子どもの関係は、親子や夫婦とは違います。血のつながりや長い時間を共有してきた関係ではないからこそ、お互いの気持ちや距離感を確かめながら少しずつ関係を築いていくものです。
そのため、最初から家族らしい雰囲気にならなくても、決して珍しいことではありません。
まずは、なぜ距離が縮まりにくいのか、その理由を整理していきましょう。
家族になった実感には時間差がある
再婚して一緒に暮らし始めたからといって、全員が同じ気持ちで新しい生活をスタートできるとは限りません。
親にとっては新しい家族との暮らしが始まった日でも、子どもと再婚相手はそれぞれ違う気持ちのまま同じ家で生活を始めています。
子どもは生活の変化に戸惑っていることがありますし、再婚相手もどこまで関わっていいのだろうと距離の取り方を探っていることもあるんですよね。
そのため、一緒に過ごす時間が増えても、心の距離まで同じように近づくとは限りません。
朝は挨拶を交わしてもそのあとに会話が続かない、食事の時間も必要なことだけ話して終わってしまう、休日も同じ空間にはいるものの、それぞれが自分の時間を過ごしているという毎日が続くと、このままで本当に家族になれるのかなと不安になることも。
でも、それは関係が悪いからではなく、お互いが相手との距離を確かめながら生活している時期だからです。
同じ家で暮らし始めた日と、家族として気持ちが近づく日は必ずしも一致しないので、それぞれの立場や気持ちに違いがあることを知っておくだけでも、今の状況を少し落ち着いて受け止めやすくなります。
普通の家族と比べなくていい
距離が縮まらない日が続くと、何か間違っているのではと感じ、周りの家庭と比べてしまうことがありますよね。
仲良く会話をしている家族や、一緒に出掛けている親子を見ると、うちも早くあんな関係になってほしいと思うこともあるかもしれませんが、それぞれの家庭には積み重ねてきた時間や生活環境があります。
再婚家庭は新しい家族としての生活が始まったばかりなので、長い時間を一緒に過ごしてきた家族と同じ関係を、最初から求める必要はありません。
大切なのは周りの家庭と比べることではなく、今の二人に少しずつ変化が生まれているかを見ること。
最初は挨拶だけだったものが短い会話に変わる、同じテレビを見て笑う時間が増える、同じ空間で過ごしていても以前ほど緊張した雰囲気がなくなる、そんな小さな変化も新しい生活に少しずつ慣れてきた証と言えます。
今の関係を他の家庭と比べて判断するのではなく、二人なりのペースで変化しているかを見守ることが大切です。
子どもが再婚そのものを受け入れられず距離を取っている場合は、まず気持ちを受け止めることも大切です。
子どもに再婚を反対された時の対応については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
仲良くさせようと急がないことが大切

子どもと再婚相手の距離がなかなか縮まらないと、何とかきっかけを作らなければと考えてしまうことがありますよね。
親としては、家族みんなが笑顔で過ごせるようになってほしいという気持ちから行動するものですが、その思いが強くなり過ぎると、かえって二人の負担になってしまうことがあります。
距離を縮めることだけを目的にすると、お互いの気持ちよりも仲良くしなければという意識が先に立ちやすくなります。
まずは、避けたい関わり方について見ていきましょう。
無理に二人きりの時間を作らない
二人で出掛ければ仲良くなれるかもしれない、一緒に遊ぶ時間を作れば距離が縮まるはずと考えることがあります。
もちろん、お互いが自然に楽しめる関係であれば問題ありませんが、まだお互いの距離感がつかめていない時期に二人きりの時間を何度も作ると、子どもも再婚相手も気を遣い過ぎてしまうことも。
子どもは仲良くしないといけないのかなと感じ、再婚相手もうまく話さなければと緊張してしまうことがあり、その状態では一緒に過ごす時間そのものが負担になってしまうことも少なくありません。
せっかくだから一緒に行ってきたらと勧めるよりも、それぞれが無理なく過ごせる時間を大切にしたほうが、結果として関係がぎくしゃくしにくくなるので、親の期待で場面を作るのではなく、二人が自然に関われるタイミングを待つことも大切です。
仲良くなることを目標にし過ぎない
再婚すると、早く家族らしい関係になってほしいと願うのは自然なことですよね。
だからといって、もっと話してみたら、せっかく家族になったんだからと気持ちを後押しし過ぎると、それがプレッシャーになることがあります。
子どもにも再婚相手にも、それぞれ相手との距離を測る時間が必要なので、その気持ちを置き去りにして関係だけを急ぐと、期待に応えなければという思いが先に立ち、本音を出しにくくなってしまいます。
家族らしく見えることを目標にするよりも、お互いが無理をせず同じ家で過ごせることを大切にしましょう。
会話が少ない日があっても、必要以上に心配する必要はありません。
親が今はまだこの距離で大丈夫と受け止めていると、その落ち着いた雰囲気は家庭全体にも伝わっていくので、まずは関係を急いで変えようとするのではなく、子どもと再婚相手、それぞれの気持ちやペースを尊重することを意識してみてください。
関係を急ぐ前に、家族全員が無理なく生活できる環境を整えることも欠かせません。
再婚前に生活ルールを決めるポイントについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
子どもと再婚相手の自然な接点を増やす

距離を縮めたいと思うと、何かきっかけを作らなければと考えてしまうことがありますよね。
でも、家族としての関係は、特別な出来事があったから深まるものではありませんし、毎日の暮らしの中で自然に顔を合わせ、無理なく同じ時間を過ごすことが、お互いを知るきっかけになります。
仲良くさせようと頑張るよりも、普段の生活の中で自然に関われる場面を増やしていくことを意識してみましょう。
短い会話や挨拶だけでも十分
距離を縮めようとすると、もっと話さなければ、たくさん会話をしなければと考えてしまいがちですが、最初から長い会話ができる家庭ばかりではありません。
おはよう、おかえり、ありがとうといった短い言葉を自然に交わせるだけでも、お互いに同じ家で暮らす存在として少しずつ意識し合えるようになるので、無理に話題を探さなくても、同じ空間で挨拶を交わすこと自体が、関係づくりの第一歩なんですよね。
朝はいってらっしゃいと声を掛けるだけ、夕方はおかえりと返すだけ、食事のあとにごちそうさまと言葉を交わすだけでも、そのやり取りは少しずつ日常の習慣になっていきます。
最初から長い会話を求めてしまうと、何を話せばいいんだろう、気まずくならないかなと、お互いに余計な緊張を抱えてしまうことがあるので、今日は挨拶だけだった、今日は一言だけ話せた、そのくらいの変化でも十分です。
大切なのは、会話の長さではなく、お互いが気負わず言葉を交わせる場面が少しずつ増えていくことです。
一緒に過ごす時間を押し付けない
距離を縮めたいからといって、二人だけで出掛ける機会を何度も作ったり、無理に二人でいる時間を作ってしまうと、かえって気持ちが離れてしまうことがあります。
もちろん、お互いが自然に楽しめるのであれば問題ありませんが、ただ、仲良くなるためという目的が前に出てしまうと、子どもも再婚相手も期待に応えなければいけないと感じやすくなります。
仲良くするために時間を作ろうとするよりも、夕食の準備を手伝う、荷物を一緒に運ぶなど、自然と同じ目的で動く場面のほうが、お互いに気を遣い過ぎずに過ごせます。
実際には、食事の準備をしながら同じキッチンに立つ時間や、テレビを見ながら同じ場面で笑う時間、休日に同じ部屋でそれぞれ好きなことをして過ごす時間など、暮らしの中には自然な接点がたくさんあります。
最初は同じ空間にいるだけだった二人が、少しずつ天気の話をするようになったり、テレビの内容について一言交わしたりするようになることも。
特別なイベントを用意しなくても、毎日の暮らしの中には自然と関われる場面がたくさんあるので、お互いが無理なく同じ時間を過ごせる機会を少しずつ増やしていきましょう。
親は二人の間に入り過ぎない

子どもと再婚相手の関係が気になると、親はどうしても二人の間に入ってしまいがちですよね。
会話が途切れると話題をつないだり、お互いの気持ちを代わりに伝えたり、気まずい空気にならないよう気を配ったりすることも。
もちろん、家庭の雰囲気を良くしたいと思う気持ちは大切ですが、親がいつも間に入る状態が続くと、子どもと再婚相手が自分たちで関係を築く機会まで奪ってしまうことがあります。
親の役割は、二人を仲良くさせることではなく、それぞれが落ち着いて暮らせる環境を整え、自然に関われる時間を見守ることです。
橋渡しはしても気持ちは代弁しない
子どもが何を考えているのか、再婚相手がどんな気持ちなのか、親だからこそ分かる場面がありますよね。
だからといって、この子は本当はこう思っているから、悪気があったわけじゃないからと、お互いの気持ちを代わりに説明し続けるのは避けるのが無難。
最初はその場が落ち着いたように見えても、いつも親が代弁していると、二人が自分の言葉で伝える機会が少なくなってしまいます。
もちろん、誤解が大きくなりそうな時や、感情的になってしまった時は、親が間に入ることも必要ですが、普段の小さなやり取りまで親がすべて調整しようとすると、困ったら親が伝えてくれるという関係になりやすくなるんですよね。
必要な時だけ橋渡しをして、それ以外は二人が自分たちの言葉で向き合える時間を大切にしましょう。
子どもにも再婚相手にも味方でいる
子どもと再婚相手の間で意見が食い違うと、親はどちらの味方をすればいいのか悩むことがありますよね。
大切なのは、どちらか一方だけの味方になることではありません。
子どもの気持ちを受け止めることも、再婚相手の立場を理解することも、どちらも家族として大切なことです。
例えば、子どもが不満を話してきた時は、すぐに再婚相手を否定したり、そんなこと言わないのと話を終わらせたりするのではなく、まずは最後まで気持ちを聞いてあげましょう。
一方で、再婚相手が戸惑いや悩みを話してきた時も、もう少し頑張ってと励ますだけではなく、不安や迷いにも耳を傾けることが大切です。
親が公平な姿勢で接していると、子どもも再婚相手も自分の気持ちは受け止めてもらえていると感じやすくなります。
どちらか一方を優先するのではなく、双方の気持ちを尊重する姿勢が、家庭全体の穏やかな雰囲気につながっていきます。
子どもの気持ちに配慮しながら関係を築いていくためには、再婚相手を紹介する順番やタイミングも大切です。
紹介する時の進め方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
家族になる速さはそれぞれ違う

ここまでお伝えしてきたように、再婚相手と子どもの距離が縮まらないからといって、関係がうまくいっていないとは限りません。
周りの家庭と比べて、うちはまだ家族らしくなれていないのではと感じることがあるかもしれませんが、家族として歩み始めるまでにかかる時間は、それぞれ違って当たり前です。
再婚家庭では、新しい生活が始まったばかりだからこそ、お互いに遠慮したり、どう接すればいいのか戸惑ったりする時期があるので、その時間を失敗している証拠と考える必要はないんです。
大切なのは、早く仲良くならなければと結果を急ぐことではなく、毎日の暮らしの中で、お互いが少しずつ気を遣い過ぎずに過ごせる時間を増やしていくことです。
距離がある時期も家族になる過程
距離がある状態を見ると、このまま変わらなかったらどうしようと不安になることがありますよね。
でも、その時間があるからこそ、お互いの性格や生活のリズムを知り、自分なりの距離感を見つけていくことができるので、最初から何でも話せる関係を目指す必要はありません。
最初は目を合わせることが少なかった二人が、自然に挨拶を交わせるようになるり、同じ食卓で落ち着いて食事ができるようになったり、テレビを見ながら同じ場面で笑ったり、何気ない一言を交わせたりするようになる。
その一つひとつは小さな変化でも、昨日までとは違う前向きな変化です。
目立った変化だけを求めるのではなく、以前より自然に過ごせている時間が増えたと感じられることにも目を向けてみましょう。
焦らず続けることが家族の土台になる
家族としての関係は、一度の出来事で大きく変わるものではありません。
毎日の挨拶や何気ない会話、一緒に食事をする時間など、暮らしの中の小さな出来事が積み重なることで、この人と一緒にいても大丈夫と思える気持ちが少しずつ育っていきます。
そのためには、親もすぐに変わらなくても大丈夫という気持ちで見守ることが大切で、親が焦らず落ち着いて接していると、子どもも再婚相手も余計なプレッシャーを感じにくくなります。
距離が縮まらない時期があっても、それだけで家族になれないわけではありません。
一人ひとりのペースを尊重しながら毎日を過ごしていくことが、新しい家族として心地よい関係を築いていく一番の近道になります。
まとめ
今回は、再婚相手と子どもの距離がなかなか縮まらず、どう接すればいいのだろうと悩んでいる方へ向けて、距離が縮まらない理由や親として意識したい関わり方、避けたいNG行動についてご紹介しました。
再婚家庭では、一緒に暮らし始めたからといって、すぐに家族らしい関係になれるとは限りません。
それぞれが新しい生活に慣れていくペースは違うからこそ、今の関係を受け止めながら無理のない形で関わっていくことが大切です。
今回のポイントは次の5つ。
- 距離が縮まらないのは珍しいことではなく、お互いに慣れていく時間が必要
- 仲良くさせようと急ぎ過ぎると、子どもにも再婚相手にも負担をかけやすい
- 特別なことよりも、挨拶や短い会話など日常の関わりを大切にする
- 親は二人の間に入り過ぎず、それぞれの気持ちを尊重しながら見守る
- 家族にはそれぞれのペースがあることを忘れず、小さな変化にも目を向ける
再婚家庭だからといって、最初から理想的な家族関係を目指す必要はありません。
毎日の暮らしの中で、お互いを知る時間を重ねながら、それぞれに合った距離感を見つけていくことが、新しい家族として歩んでいく大切な一歩です。


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